多くの人々のBEATLES論において
忘れ去られているか、もしくは意図的にオミットされているのは
ザ・ビートルズという20世紀のポピュラーミュージック史において
もっとも消費&共有されたコンテンツの本質が
「THE BEATLESとはアイドルだった」
という点である。
実は僕にとっても唯一ファンクラブに入会した事があるのが
BEATLESだったり・・・・・・
でもそれは後から学習した「偉大なロックバンドとしての
BEATLESの再体験」のためでぶっちゃけ初期の楽曲は
「ふーーーーん・・・・・」って感じな
いやーーーな小学生でしたっっ。
この4-5年のAKBを頂点とする所謂「ライブアイドル」
の現場を色々なカタチで体験したり、内情を知るにつれ
僕には今アイドルというコンテンツで起こっていることの本質
がなーーーんとなくわかった気にもなっていて
それは、
「あーーー10年代のライブアイドルって60年代のグループサウンズ
のことなんだな」
というのが今のところの僕の結論です。
グループサウンズ?????なんぞ、ソレ???という方は
GS(グループサウンズ)研究のバイブル、黒沢進氏の諸作を読んでいただいて
黒沢進wiki
①グループという単位による音楽表現
②ライブが主たる活動のフィールド
③基本的な活動のコンセプト、楽曲etcは所属事務所が主導権を持つ
といったわっかりやすい共通点と、もう一つ本質的な所、
「観客(ヲタ)とグループとの関係性」
例えばこの映像を見ていただくと一目瞭然ですけど
この失神へといたるGSのグループに対する
おんなのこ達のヒステリックな熱狂は
明らかに今のグループアイドル達へのヲタの方々の
熱狂と同じところから発せられている。
解放されること
そう、GSという大人達に理解されないハチャメチャな表現が
社会的な規範によってがんじがらめになっていた
おんなのこ達を、かなきり声と失神が自由にできる場を提供することで
解放していたのと同じように
現在のグループアイドル達は
やはり社会的な制約によって精神的にダメージを受けた
おとこのこ達が、ヲタ芸とSNS上における自由な発信をできる場を提供することで
解放しているのである。
アイドルという表現が与える自由。
それはちょっと前までは一対一的な「恋愛感情」だったわけだけど
そんな感情がいまや「ガチ恋」として揶揄されるくらい
アイドルと観客(ヲタ)の関係性において重要視されるのは
「息苦しい世界から解放される」という感情。
GSとおんなのこ達の関係性も正にそれだったわけで
この転換こそが僕にはものすごくおもしろいし
10年代におけるアイドル表現の核になる部分だと思っています。
そしてそんな「解放」の感情を
ポピュラーミュージックにおいてもっとも喚起したのが
いうまでもなくTHE BEATLESでした。
もういうまでもないことだけど、楽曲が聞こえなくなるほどの
絶叫ってば、現在のアイドル現場におけるMIXやヲタ芸と同じでしょ??
そしてそれを可能にしたTHE BEATLESとは
世界で最初の「アイドルグループ」だったという事
(あーー・・昔からバラエティーにおけるアイドル
の扱いって・・・・・)
どうしてもライブをしなくなってからの、そして60年代後期の
ロックムーブメントを率先したという論調がほとんどなので
忘れられてしまうけどビートルズはアイドルグループで
日本のGSはそのアイドルグループという表現スタイルをパクっていたわけです。
そして日本はそうしたアイドルグループフィーバーの後
闘争の時代へと突入していくわけですが
この辺も時代的な相似形が発生してておもしろーーーい!!
多くの人々が「なーーるほどね」と思っていたように
僕もももいろクローバーってピンクレディーを目指してるのかなーと
思っていました。
奇抜な楽曲と衣装、そして圧倒的なライブパフォーマンス
ピンクレディーとは阿久悠氏と都倉俊一氏の手による
日本のポップス史における最大のフリークアイドルポップで
ぶっちゃけこの「バトルアンドロマンス」は
そんなフリークアイドルポップスが満載な2010年代のピンクレディー宣言
をするようなアルバムだろう!!!と。
でも「BAR」はいい意味でも悪い意味でもそうした奇形的なアルバムではなく
このアルバムのジャケットがオマージュをささげている
そして日本のGSというアイドルコンテンツのありようを
定義づけたBEATLESの初期アルバムのような
とてもよくできた「アイドルアルバム」!!
僕は前山田氏の楽曲がももクロの核だと思っているので
それを「オリジナル曲」と定義すると
そうしたオリジナルとアイドルヲタの方々が喜ぶような
所謂アイドルソングが約半分半分。
この配分はビートルズも3枚目のアルバムまでやっていたやり方で
アイドルアルバムとしては正しい有様だなーーと。
でも、もしこのままこーゆう感じで完成してしまうなら
60年代のGSブームにもいたちょっと変わったアイドルグループ
になってしまうかも・・・・・という危うさも感じてしまうアルバムでもありました。
そーーーこでメチャクチャ老婆心ながら
早くも2ndアルバムの事を!!!!!!
こーーれはどう考えてもライブ音源とスタジオ音源を混ぜた
そう!あのCONSOLIDATEDの名作PLAY MORE MUSICのようなスタイルしか
ももクロZの2ndはありえないーーーーーーーッス!!
ライブとスタジオワークのMIXTUREというスタイルの更新。
ライブはDVDや現場で・・・・・
じゃなくあの「解放感」をアルバムの表現としても取り入れてしまう事
これはBEATLESもやろうとして叶わなかった
そしてライブアイドル全盛期の今だからこそ
ももクロZにしかできない表現だと僕は思います。
TWIST&SHOUTからBATTLE&ROMANCEへ
Zの先にあるのは僕等を解放してくれる新しいスタイルの
アンセムのはず。
でも、なんで僕が一番優れたももクロソングだと思ってた
これはアルバムに入らなかったの?????
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