2015年12月31日木曜日

FESTIVA2015 性格良し子ちゃん2015年BEST DISC大発表------!!

皆様今年もこの季節がやってまいりました!!!

激動の2015年よさようなら!!

新しい2016年サン、こんにちわm(_ _)m

よく考えたらSNSといえばまだ「掲示板」!!しかなかった時代から
15年以上なぜかAV監督がやってるこのFESTIVA BESTディスク!
FESTIVAっていう言い廻しはもっちろん僕が敬愛する
John Peel御大がずーーっとやってた年間BEST DISCの呼び方をパクった・・・否!
オマージュを捧げたものですが
今年も僕は音楽とおんなのこに救われる一年でしたッッ!!

というわけで性格良し子ちゃん的2015年BEST DISCいきまっすーーーーーーー。





35 Youth Lagoon Save Hills Ballroom



とにかくこの新作で「化け」てしまったYouth Lagoon!
完全にエモーショナルなシンガーソングライター宣言が熱い傑作でした




34 DREAM WIFE



まだフィジカルの音源出てません(泣)でもでもでも
こーーーーーーーーーーーーーのLUSCIOUS JACKSON的完璧なLOFI HIPHOPミーツBAND感
来年に物凄く注目していまっす!

http://www.dreamwife.co/


33 Heyrocco Teenage Movie Soundtrack



トータルのアルバム一枚のFLOWが完璧!! まさかの傑作グランジアルバム!!


32 RAT BOY FAKE ID




何このBEASTIE BOYS&BLURな音!!! 際物っぽいけどアルバム一枚、HIPHOP的&UK的な
EDIT感で統一された優れたPOPアルバムです


31 ANDERSON .PAAK VENICE



所謂「NEU SOUL」と10年代のアップデートされたアブストラクトR&Bの音を使い分けながら
全編をまとめた手法が凄い!! AORアルバムとしても傑作だと思います


30 Mスリー / Your Love



日本で唯一フェアリーズに関してこうしたTEXTを書かせていただいた僕としては


フェアリーズはなぜ物語を必要としない?

今年一年のフェアリーズの動きは、わかる・・・・わかるけども・・・
そそそそそそーーじゃないんじゃないかなぁ!!!!??????
(除く伊藤萌々香様の写真集!!)



って感じだったんですが、この曲は2014年までのフェアリーズ的なPOPNESSに殉じた
素晴らしい楽曲だったと思います。
来年3月発売の新曲「クロスロード」は果たして?!?!


29 Giorgio Moroder - Right Here, Right Now ft. Kylie Minogue




この官能的ディスコグルーヴ!!
僕的にはDAFT PUNK越えの超ーーーーーーーーーーーーーーー名曲!!


28 SOKO My dreams dictate my reality



彼女は現在本国では女優&タレント的な立ち位置っぽいトコロもあるんでいまいちちゃんとプロモーションされなかったのが残念
なGrimes嬢やSky Ferreira嬢のアルバムと同じゾーンで鳴ってる傑作でした!!



27 JUICEBOXXX HEARTLAND 99



上のMV見ていただくだけでモロわかりな「過剰性」!! このこんがらがった分厚い自意識がアルバム一枚分!!
でも彼にはその必然性がある事がわかる素晴らしいアルバムなのです。



26 Doldrums The Air Conditioned Nightmare



ずーーっと彼の事は作品ごとに推してましたがこの新作はトラックメーカーからエモーショナルなメロディーを武器とした
ソングライターへ! 完全にメタモルフォーゼした傑作!!


25 my ex - イエスタディワンスモア



僕の中では完全に日本のダイナソーJr!! 日本で最も素晴らしい「ダダ漏れメロディー」の確信犯
の新作は今回も美メロ&泣きメロの嵐でした!!



24  JAMES TAYLOR BEFORE THIS WORLD




ななななんとキャリア45年で初のアルバムチャート一位作品!!!
「えーーーそれは今やフィジカルのCDなんておじさんおばさんしか買わないからでしょ??」というのは完全に間違っていて!
今回のリリースにあたってYOUTUBEで展開された事前のMOVIEプロモーションはほんとーーに素晴らしくて
それがJTの楽曲が持つ普遍性とあいまったからこそこのヒットにつながったんだと思います!



23 jam city Dream A Garden



僕はトラックメーカーじゃなくてソングライターとして勝負したいんだ!というインタビューを読んで
どんな作品に?!?!と思ってたんですが。ほんとーーーーーーーーに傑作!!
優れたトラックには絶対に唄われるべきメロディーとコトバが埋め込まれているんだなぁーーと実感しました


22 Kahunastyle by Flamingosis



Kahunastyle bandcamp


ひたすら楽しい!!! 気持ちいい!! がエクスタティックにアルバム一枚つづく傑作ダンスポップアルバムッッ!!




21 George Clanton "100% Electronica



完全に「天才」の作品!! この優れたメロディーとエモーションを他のプロデューサーを立てる事で
他者性へと開いた時絶対にブレイクすると思います。凄いアルバムでした!





20 I Don't Like Mondays「TOKYO」



twitterでは何度も連呼しましたがどーー考えても今現在日本で最も優れたAORバンド!!
アルバム一枚通すと1stなので色々と混ざってるけどIDLMは絶対に日本のMAROON 5を目指してほしいし
そうなれるBANDだと思っています


19 Skylar Spence PROMKING



なんか同じような事ばっか書いちゃっててゴメンナサイ・・・なんですがこれも本人がインタビューで
「僕はトラックメーカーとしてよりもっと開かれたポップソングこそが好きだ!!と気づいたんだ」と宣言した後の超絶エモポップアルバム!
これでもっと「本人」が自らをさらしちゃったら絶対に化けると思うノデッス!!



18 Royce Wood Junior The Ashen Tang





「J.dillaも好きだし、70年代のAORも好きなんだ」正にその通りーーーーの2015年に鳴るべき傑作AORアルバムを作ってしまった
LONDONのSSW傑作1ST!!



17 お嫁においで 2015 / 加山雄三 feat. PUNPEE



弊社制作の「BADHABIT」MV制作時のインタビューで言及させていただいたように

PUNPEE氏の「情けない伊達男」感が正に体現された曲&MVで素晴らしいなぁーーー!!




16 Donnie Trumpet & the Social Experiment - Sunday Candy chance the rapper



性格良し子ちゃんでもずーーーっと推してきた

TWILOG

CHANCEの究極的POPNESSが爆発!! そして彼はこーーいうトラックにも参加してて来年ヤバいです!!





15 KISS ME KISS ME KISS ME by ほうのきかずなり





コチラでも熱ーーーくtweetしてしまいましたが

twilog

これは完全に「禁断の多数決」のニューアルバムと言って過言ではないボリューム&世界観!
これが来年以降BANDへどう却っていくのか楽しみーーーー!!



14 BEN LEE Love is the Great Rebellion




近年の活動の方向性は「やややややばいアニキが観念的な方向へいってしまうーーー」と危惧してたりだったんですが
こーーーーーーーーの新作はほんとーーに感動!! テーマを家族に絞った肉体性がコトバとメロディーに転化された傑作なのです!!



13 The Internet EGO DEATH



今作も完璧な10年代AORアルバム!! 聴きまくりましたッッ!


12 GOMESS LIFE



このアルバムの特異性と普遍性についてはコチラでtweetさせていただた通り!

twilog

この音の先にある未来が僕はとても楽しみなのでっす


11 SUGER MAROON5



今年は何故かAOR的な心性を更新しようとする楽曲の素晴らしさが際立ってたんですが
その究極系がコチラ!! とはーーーーー凄い曲だよなぁ・・・・・・・



10 KOHH DIRT



自身のインタビューでも「今作を作る時には生まれて初めてロックを聴き狂いました」と言ってる通り
いままでの「フローが生々しいHIPHOP」からまるでエミネムのように
完全にロックミュージック的な位相へとメタモルフォーゼした大傑作アルバム!!
さらにこのアルバムは全ての曲にMVが作られてるんですがそーーれがまた完璧ッッ!
ROCKミュージックのリスナーこそ聞くべき最新型の音だと思います。



10 Rudimental WE GENERATION




UKにおけるソウルミュージックは宿命的にあらゆる黒人音楽をどうEDITするのか??その編集力の上に
自らの想いを捧げなくてはならないわけですがこのアルバムの「編集力」の素晴らしさ!!
特にこのセクシャルな傑作ラブソングを僕はアホのように聴き狂いました







9 Van Hunt album, 'The Fun Rises, The Fun Sets.



FUNK MUSICとはイコール「官能性」の事で、それを音の構造として有らしめているのはサウンド内の「空間」で
そのもどかしさを埋めるためにメロディーとコトバが鳴るのがファンクミュージック!!
こーーーーーーーーーーーーの大復活作でVAn Hunt兄貴はそれを完全に証明してしまったのでアルバム一枚完全なFUNK MUSIC!!!



8 Miley Cyrus and Her Dead Petz



このアルバムについてはコチラで超ーーーーーーーーーtweetしてしまいましたが

TWILOG

これを「金持ちアイドルの道楽アルバムじゃーーん」と思ってる人はホント真摯に音とコトバに向き合ってないなぁ・・・と思います。


7 maison book girl bath room





tweetさせていただきましたが僕不思議でしょうがないのはこのアルバムは完全に
フリッパーズギターの2ndと同じ鳴り方



つまり「世界を殺す」ためのPUNK MUSICとして作られているのにそうした言及がほとんどないトコロ!
2015年邦楽において、最も優れたデストロイミュージックの傑作だと思います。



6 アーバンギャルド「昭和九十年」




このアルバムに関してはコチラ

天地(あめつち)を動かす歌 アーバンギャルド「ラブレター燃ゆ」のPVを制作しましたー!!

SUICIDE IS PAINLESS アーバンギャルド「平成死亡遊戯」のPVをRECしましたーー!


何度も繰り返しちゃいますけどこのアルバムが邦楽ROCK史において画期的である点は
アーバンギャルドのような密室度の高いアーティストでさえも
今までいた場所に、そこにとどまる事の意味を問い直さざるを得ない
この時代性に対して
松永天馬氏をはじめBANDが2015年=昭和九十年としての答えを出そうとしている
その「誠実さ」にあると思っています。
アーバンギャルドの「嘘」が「本当」になる時代。
そんな世界へ飛び込む覚悟はあるのかい??そのメッセージの明確さにおいて
「昭和九十年」は別格だったと思います。




5 Vince Staples Summertime ‘06



こーーーーーーーーーーーーのアルバムのとんでもなさはコチラのtweetご参照ください!


TWILOG



完全にNIN越え!なこの究極ダウンワードスパイラルソングを聴けッッ!!





4 Alabama Shakes Sound & Color




このTWILOGをご覧いただけば一目瞭然ですが

TWILOG

性格良し子ちゃんは日本一彼等を推してきましたが
そんな僕をしてこーーーーーのアルバムのとんでもなさには号泣!!
まさかこんなまったく「新しいサウンド」が2015年に可能になるとは!!!!
そしてこんな革新的なアルバムがアルバムチャートで一位になるとは!!
ほんとーーーにおめでとう!!!!!!!!


3 BRATS 14歳病



自分でプロデュースしたのをアゲアゲしてどーーすんの?!?!というツッコミもあると思いますが
もーーしわけないんですが性格良し子ちゃんの「耳」を信用頂きたいデス。

それはつまり・・・・・

どーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー考えても
洋楽&邦楽のROCK史上、こんなけ完璧なLOLITA&TEENAGE ANTHEMは
NIRVANAの「SMELLS LIKE TEENAGE SPIRIT」以来じゃんよ!!!という事です。




この曲が成立するまでには、ほんとーーーーーーーーーーーーーーーーに色々な事があったわけですが
黒宮れい×松永天馬という組み合わせは
血まみれで凛としてPOPで生々しい、SNS時代の「LOLITA」の肖像を完璧に描き出していると思っています。



2 Night Beds Ivywild





こここここのBEASTIE BOYSのPaul's Boutiqueのように十年くらいたつとよーーやく「音楽史」に残る傑作!!
と呼ばれるのが確実な大傑作アルバム!!

その内実に関してはこーーしたTWEETをさせていただきました

TWILOG


僕が不思議なのはもちろん日本の洋楽シーンでは完全無視なのはそーしたメディアに関わっている人達が
ほんとネトウヨ的な「洋楽ウヨ」なのでしょうがないとして
欧米のレビューでも「ドヒャヒャヒャヒャーーーー!! なんすかこの"濃すぎる"アルバムwwwwwwww」
的ほーーーーーーーーーんとSNS的な当事者感覚のないクソ言説でこのアルバムを揶揄しているのが
アタマ悪すぎ・・・と悲しくなってくる感じで。

TRUST ME!! このIvywildはボーカルミュージックが好きな方なら、そしてボーカルミュージック
を制作している制作者なら絶対に聴かなくてはならないくらいあらゆる手法が試されたアルバムであり

TRUST ME TWICE!! このIvywildは恋と愛情という官能性に対してロックミュージックという方法論が
本当に可能な事は何なのか??そこを突き詰めた歴史的傑作だと思います。




1 Kendrick Lamar  To Pimp A Butterfly


もーーーうこのアルバムに関しては日本でこーいうTEXTを書いたのは僕だけだと自負しているので

ケンドリック・ラマー『To Pimp A butterfly』の怪物性とは? ターボ向後監督が独自解読



そこで言い尽くされてますが、このTEXTのラストでぼかした事、

このTPABというとんでもないアルバムが示した「情念」が何故、それを聴く僕等にも繋がっているのか?

それをハッキリ言ってしまおうと思います。


それは確実に「戦争」という事態だと思います。
















2015年12月3日木曜日

SUICIDE IS PAINLESS アーバンギャルド「平成死亡遊戯」のPVをRECしましたーー!

Through early morning fog I see
visions of the things to be
the pains that are withheld for me
I realize and I can see...

that suicide is painless
it brings on many changes
and I can take or leave it if I please.
I try to find a way to make
all our little joys relate
without that ever-present hate

(SUICIDE IS PAINLESS from 映画「M☆A☆S☆H」より)


アーティストが僕等に与えてくれる最大の副音は

死を肯定するためのヴィションを描いてくれる事だと僕は思っています

弱くて意気地なしで
でも強欲(GREEDY!!!)で
SELF ESTEEMが低いのに自意識過剰な僕(そして貴方は)

死に立ち向かう事ができない

死を直視する事ができない

死を自分の一部として認識することができない


アーバンギャルドの楽曲はいつも聴き手に
「キミにとって死はどういう意味を持つんだ?!」という命題を
投げかけてくれる手榴弾で!!


平成27年でもあり昭和90年でもある今
アーバンギャルドからの「死に対する答え」その最新バージョンが
「平成死亡遊戯」なのではないか???


今回アーバンギャルドのPV史においても異色なこの作品を制作させていただくにあたり
僕が勝手にコアだと考えたのはそこでした。


前作の「ラブレター燃ゆ」のエントリーでも書かせていただきましたが


天地(あめつち)を動かす歌 アーバンギャルド「ラブレター燃ゆ」のPVを制作しましたー!!


今回もこのPVを制作するにあたり松永天馬氏からはこーーんなリクエストが!!


「この曲のモチーフは1990年代にカリスマ化されて、その後亡くなった〇〇〇〇です」



「映像のスタイルとしては映画"LOVE&POP"を考えています」


LOVE&POP!!!!!

原作は村上龍氏
そしてエヴァンゲリオンの庵野秀明監督が
がその時代の少女達が放っていた「デストロイ&メランコリー」な空気感を丸ごとパッケージングした実写映画!







この映画が話題になった時期、僕がADとして働いていたアダルトビデオの現場は
リスカ痕だらけで、摂食障害で、援助交際経験アリな女の子ばかりでした。



でも僕はそーーーいうおんなのこ達が大好きでした。


今のSNS系おんなのこ達には想像もできないかもですが
SNSという「自撮ツール」を手にする前、
デッドエンドな女の子達には「リストカット」と「援助交際」という
二つの選択肢しか自分の中にある「未定義なジブン」を肯定してくれるツールはありませんでした。



今のワタシを撮ってくれないならワタシは明日死にます


そんな女の子達だらけだったのが「平成死亡遊戯」のモチーフになっている
LOVE&POPな時期だったと思います。


そんなL&Pな時代のおんなのこ達は自らの手首を切り裂いて、見知らぬ誰かとSEXして
いつでも自分が死の横にある事を認識したけれどスマホを手に入れた昭和90年の女の子は??????


円光やリストカットという手法によって未定義な自己を相対化できた時代より
2015年は「死を肯定する」手段が曖昧になっていると思います。

今回PVにキャスティングさせていただいた

黒宮れい様




Maison Book Girlの矢川葵サン




少女閣下のインターナショナルの羊戸ひなチャン





はそれぞれ2015年における少女の死の在り様をグラデーションで体現している女の子達です。



そしてもう一つ、この「平成死亡遊戯」という楽曲においてコアな事は!

「ラブレター燃ゆ」のPV制作の時におもしろかったことが一つあって。それは
僕はメンバーの方々のキャラクターを引き立たせるための女優さんを二人ぐらいキャスティングしようと思っていたのですが
松永氏より「この曲はメンバーだけで構成したいです!!」とリクエストがあった所。


あーーーーなるほど! 確かに今までのアーバンギャルドのPVは基本的にメンバーだけ
ギリギリで人形化されたオブジェだったりファンの方々しか出てこないよなぁーーと
それはつまり「自らの世界観から外れるものは一ミリたりとも入れない!」という事なわけで
すごくアーバンギャルド的な強さだなぁーーーと思いました。

ところが!!今回の「平成死亡遊戯」では最初から狙いが「LOVE&POP」!!!
しかも「曲のテーマに合う女の子達のキャスティングをお願いします」
と全然違ーーーーーーう!!



それはどういう意味を持つんだろう??


この事が僕的には「平成死亡遊戯」という楽曲が持つ、そしてアーバンギャルドという
BANDにとってこの曲が持つ意味の最大のテーマだ、と。


うーーーーん・・・・・れい様は絶対に入れるとして色々なキャスティングを考えている時に
そそそそそそそそうか!! 僕はハタと気づきました。



「平成死亡遊戯」でやりたい事それはBANDの世界観、そして楽曲をもっと外へ届けようとする意志だ



と!!!


このPVの最終チェック中に松永氏はこう言っていました

「絶対に今、多くの女の子達は浜崎にこういった歌を唄ってもらいたいはずだと思うんです」


アーバンギャルドの世界観、「死に対する答え」をファンの方々を超えて
多くの人達に「開放」する事。


ポップミュージックとしてあまりにも正しいこの開かれた強さ。


それを可能にしたのはこの曲の作曲者でもあるおおくぼけい様のアーバンギャルドに対する
俯瞰した視点だと思います。
(と僕が確信できるのはPVの最終チェックには松永氏とけい様に立ち会っていただいたのですが
完成後の夕食時、けい様による松永氏批評がことごとく正しかったからです!!)



自撮のその先へ、鬱くしいその先へ



この「平成死亡遊戯」はアーバンギャルドの楽曲史上、もっとも優しくそして残酷な歌で


「生」と「死」、二つのアンビバレントな位相を
浜崎女史のとんでもなく美しいボーカリゼーションによって
音楽という、そしてアーバンギャルドという表現メディアでしかできない手法で明確に繋いでいるからこそ
この曲はアーバンギャルドの楽曲群の中でも特出してポップな
今後のアーバンギャルドの方向性の指針となる楽曲になっていると思います。




LOVE&POPという視点からデストロイ&メランコリーな直接性へと繋ぐPVにさせていただいたのは
そうした「平成死亡遊戯」という楽曲が持つポップミュージックとしての
強さをより多くの人達へ届けよう。
これはアーバンギャルドの新章を告げる「開かれた」素晴らしいポップソングだと勝手に思い
こうしたPVとなりました。



であるがゆえに今回の「平成死亡遊戯」はメンバーの姿がワンカットもない
コトバとメロディーとサウンドと
そして「今」を生きる女の子達の姿だけが聴き手の耳と心臓とココロを直撃する
こうしたPVとなりました。



自著である「自撮者たち」で松永氏はこう宣言しています。



「ねぇ、これからどうする?」

「革命を起こすわ」

「どうやって?」


その答えがこの「平成死亡遊戯」には唄われていると僕は思うのです。







 





















2015年11月22日日曜日

天地(あめつち)を動かす歌 アーバンギャルド「ラブレター燃ゆ」のPVを制作しましたー!!

力をも入れずして天地を動かし、
目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、
男女の中をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは歌なり

(古今和歌集 仮名序より)


とはーーー!!ビッグニュースでっす!
弊社、昨日無事解禁となりました
アーバンギャルド様の新曲「ラブレター燃ゆ」の
PV(プロパガンダヴィデオ)の制作を担当させていただきましたッッ!




じーーつは「水玉病」の頃からファンで発売される新譜は
購入させていただいていたのですが
そんなアーバンギャル系ファンだからこそ
今回制作するにあたって一つ懸念していた事が!

テクノポップとはクラフトワーク、YMOといったレジェンド
達によるコンセプトをあげるまでもなく
その表現のコアにあるのは「批評性」で。

現前化された対象とどう"切り結ぶ"のか?
その血が噴き出すような批評眼の切っ先が頂点に達したのが
前作「鬱くしい国」だと僕は思っていました。

であるがゆえに「鬱くしい国」は松永天馬氏が一人日本刀を掲げて
現実に対して闘いを挑むようなキリキリとした作品で
もももももしかして天馬先生このまま死んじゃうんじゃ・・・・
と心配したことを覚えています。


それに続く新作という事であの作品以上に死へと接近しているならば
今年「DREAM MACHINE」という遺書のような映画を図らずも
作ってしまった弊社としてはもう松永氏に「憂国」的切腹を迫るような
血みどろ系な映像しか作れないなぁ・・・・・と思っていたわけでした。




ととととととところが!!!

いただいた「ラブレター燃ゆ」の音源を聴いて僕は驚愕しました


これはとんでもなくポップな作品だぁーーーーーーー!!


御聞かせいただいた「昭和九十年」アルバム全体もそうですが
ラブレター燃ゆには、平成的な現実のその先を目指そうという強い意志がみなぎっていて
その「アンセム度」に僕はノックアウト!!!
なんとかこの曲の世界観を映像にしてみたいと思いました。

事前の松永天馬氏そして浜崎容子様からのリクエストは以下の通り


①エアメールモチーフを絶対に使ってください

②各メンバーのキャラクターが分かるモノにしたいです


①に関しては特大エアメールを作ってOK!!!

でハタ!!と困ったのが②でした・・・・・・・


「ラブレター燃ゆ」のメッセージとアーバンギャルドのメンバー全員を繋ぐモチーフ。

もうこのあたりで完全に"昭和九十年病"に犯されていた僕は

そーーーーーーーーーーーーーか!!これだぁーーーーーーー!!

アーバンギャルドの楽曲が僕に意味するものそこへ戻ればいいのだッッ!!

それが冒頭にあげた


言霊

言葉が音がそれが一体となった歌が、あらゆる事の理を超える事

死と生の間を繋ぐ至福のDEATH LETTER





そーーー決まってからは速攻で

赤い死、青い死、そして白い死。


"昭和的なトリコロールな死"をそれぞれのメンバーがレペゼン
その死と再生を告げる超越的な存在としての浜崎女史!!!!!

というコンセプトが固まりました。


そして前作を超えて行こう、現実のその先を見せよう
という楽曲の意志を受けて、僕はアーバンギャルドというBANDの武器である「ユーモア」
特に初期の映像に顕著な全てを俯瞰した位置から放たれる様々な要素を
これでもか!と詰め込む「編集感覚」を全体の構成にしよう思いました



そんな流れで制作された「ラブレター燃ゆ」


面白かったのは最終的な編集作業!!!


仮に出来上がった所謂「プレビュー版」に対して

松永氏&浜崎女史に弊社にお越し頂いてワンカットずつ修正をしていくわけですが

こーーの作業がメチャクチャおもしろかった!!!!


松永氏と浜崎女史の「関係性」は言うまでもなくアーバンギャルドというバンド
を動かしている最大のエンジンの一つで。

ただその制作時における構造はどうなっているんだろう???

そこは物凄く興味があるところでした。


夜から始まって翌日の朝までの徹夜作業
2人の関係を一言でいうなら

正に「戦友」



時には一瞬触発なキリキリしたやり合いがあり

「このカットはないでしょ!!」(浜)

「いや!これはコレでいいと思う」(松)


そして時には互いのシーンを褒め合う交感があり


あーーーーーーーーーーーーーーーーーなるほど!!

この二人の関係性における緊張感こそがアーバンギャルドを
常にアップトゥーデートされた表現体として更新していくキモなんだなぁーーと!!




昭和九十年という事

そして松永氏によって繰り返し言及される「戦時下」というアジテーション。


昭和と平成を分かつ最大の事象は「戦争の有無」だと僕は思います。


以前コチラの記事に書かせていただきましたが

優れたアーティストの作品は僕等に来るべき未来の姿を
予見させてくれるモノだと思います。


戦時下という「昭和九十年」で提唱されるパラレルワールド
それが単に消費されるべき二次元的な「フィクション」ではない事


アーバンギャルドの新作、昭和九十年は僕等がまだ見据えていない未来
それこそを見ろ!! と迫るロックミュージックの、そして優れた表現が担うべき
使命を真正面から引き受けた傑作だと思います。



僕等は&私達はガスマスクを身に着ける事でその先へと目を凝らさなくてはならない

僕等は&私達はガスマスクに映る絶望のその先を知性という名の真のテロリズムで更新しなくてはならない


ラブレター燃ゆは僕等&私達にその覚悟はあるか??を問う2015年屈指のアンセムだと思います。


このPVの中にはその覚悟を促す色々な「ネタ」をちりばめましたので

「蟹」や「金田一」をはじめ細かい小道具まで是非楽しんでいただければ幸いです!!